【Tableau Nextとは?】概要や従来のTableauとの違いを丁寧に解説!

データ分析の世界に新たな波が来ています。
2025年2月末に発表されたTableauの新プラットフォーム。その名も「Tableau Next(タブローネクスト)」。
この記事では、Tableau Nextの概要や主な機能、そして従来のTableauとの違いについて丁寧に解説します。
現役データアナリストやIT部門の人はもちろん、Tableau未経験者でも分かりやすい内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
- Tableau Nextの概要や主な機能・強みについて知りたい人
- Tableauの新たな技術の習得をしたい人
- 業務でTableauを使う「データアナリスト」という職種に興味がある人

この記事を参考に、Tableau Nextのおおまかな概要について学んでおきましょう!
Tableauのスキルを向上させる最も効率的な方法は、実務経験を積むことです。
そのため、スキルアップが見込める会社に転職をしてTableauに関する様々なプロジェクトを経験していくのがおすすめ。



事業会社よりも、データ分析のコンサルティング会社への転職の方がおすすめですよ!
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Tableau Nextの概要


出典:Tableau社『What is Tableau Next?』
まずはじめに、Tableau Nextの概要についてご説明します。
Tableau Nextとは?
Tableau Nextとは、BIプラットフォーム「Tableau」の次世代版として登場した最新のデータ分析プラットフォームです。
Tableau Nextを簡単に説明すると、「人間の分析能力をAIで強化して、あらゆるユーザーに対して状況に応じた実践的なインサイトを提供することを目指したプラットフォーム」といえます。



以前までは「Tableau Einstein」や「The New Tableau」などの名称となってましたが、2025年2月に「Tableau Next」に統一されました!
2019年にSalesforce社がTableau社を買収した後、Tableauはさらなる進化を遂げ、このTableau NextではAIエージェント技術「Agentforce」と深く統合されています。


なぜ今Tableau Nextが登場したのでしょうか?
背景には、近年の「自律化の波」とも言われるAI技術(AIエージェント)の飛躍的発展があります。
組織内のデータは増える一方でサイロ化(バラバラに分散)しがちですし、データから得られるインサイトを日々の業務フローに直結させることが課題となっていました。
Tableau Nextはこのギャップを埋めるために生まれました。
つまり、データ活用から意思決定までのプロセスを一気通貫で支援し、AIの力で誰もがデータから素早く価値を得られるようにすることが目的です。
従来のTableauとTableau Nextの違い
従来のTableau(Tableau Desktop / Server / Cloud)とTableau Nextの大きな違いは、「人が主体の分析ツール」から「AIエージェントが支援する統合分析プラットフォーム」への進化です。
以下に、主な違いを比較表にまとめました。
観点 | 従来のTableau | Tableau Next |
---|---|---|
設計思想 | ・人が操作して可視化を作成&共有することに重きを置いた設計 | ・AIエージェントによる支援を前提に、データからアクションまで自動化を視野に設計 |
プラットフォーム | ・独立したプラットフォーム(オンプレミスやTableau Cloud上) | ・Salesforceプラットフォーム上にネイティブ統合 ・Hyperforce基盤上で動作し、Salesforce Data Cloudと連携 |
AIの活用 | ・一部「Ask Data」や「Einstein Discovery」などアドオン的なAI機能はあるが、限定的 | ・Agentforceによる高度なAI機能が標準搭載 ・自然言語での質問応答や異常検知などAIが分析をアシスト |
データ活用 | ・ワークブックごとに個別のデータソース定義 ・組織全体でのデータ定義の共有は限定的 | ・統合データレイヤーとセマンティックレイヤーで全社共通のデータ定義を実現 ・信頼性の高い単一のデータ基盤上で分析可能 |
ワークフロー | ・分析結果からのアクションは手動または他システム連携が必要(アラートや外部ツール活用) | ・分析~意思決定のワークフローを内蔵 ・インサイト取得と同時にプラットフォーム内で次のアクションを実行可能 |
拡張性と共有 | ・ダッシュボードテンプレート配布やAPIによる拡張は可能だが、統合的な仕組みは限定 | ・オープンなAPIファースト設計で、分析コンポーネントの再利用や共有が容易 ・社内外でのマーケットプレイスを通じた資産共有や配布が可能 |
導入形態 | ・オンプレミス版も利用可能 | ・クラウド前提(※オンプレミス環境では利用不可) |
ご覧のように、Tableau Nextはアーキテクチャから機能まで大きく刷新されています。
実際にSalesforceのCEOであるマーク・ベニオフも、2025年Q3の決算説明会で「従来のTableauは人向けに設計されていたが、Tableau NextはData Cloudと統合され強力なエージェントレイヤーを備えている」と述べています。



「AI活用」と「ワークフローの組み込み」が特に革新的ですね!
Tableau Nextで利用できる主な機能・強み5選


出典:Tableau社『Tableau Next』
Tableau Nextが具体的にどのような機能や強みを持っているのか、5つのポイントに絞って見ていきましょう。
- AIエージェントと組み込み分析スキル
- 統合データレイヤーとセマンティックレイヤー
- アクショナブルなワークフロー
- オープンアーキテクチャと再利用性
- エンタープライズ級の性能とセキュリティ



それぞれについて、詳しく解説していきます!
①AIエージェントと組み込み分析スキル


出典:Tableau社『Tableau Next』
Tableau Nextの大きな特徴は、AIエージェント(Agentforce)による分析支援です。



プラットフォームに組み込まれたエージェント型AIが、分析者を力強くサポートしてくれます!
Agentforce上に事前構築された分析スキル(アナリティクススキル)は以下の3つです。
- Data Pro(データプロ)【データアナリスト向け】
┗データの準備・モデリングから可視化までを支援
┗まるで熟練の分析官が裏でデータ準備を手伝ってくれるようなイメージ
┗従来の「Tableau Prep Builder」に近い機能 - Concierge(コンシェルジュ)【ビジネスユーザー向け】
┗自然言語での質問に答えるQ&Aエージェント
┗ユーザーが「◯◯の売上が急増した原因は?」と聞けば、関連するビジュアルや根本原因、さらには次に取るべきアクション案まで提案してくれる
┗従来の「Tableau Agent(旧:Einstein Copilot for Tableau)」に近い機能 - Inspector(インスペクター)【ビジネスユーザー向け】
┗常時データをモニタリングし、異常値やトレンドの変化を検知
┗プロアクティブ(先回り)にインサイトを提供
┗従来の「Tableau Pulse」に近い機能
この機能により、データアナリスト(データ分析の専門家)でなくとも重要なインサイトが得やすくなるでしょう。
例えば、人事部門では従業員サーベイの分析で離職リスクの高い部署を自動検出し、小売業では在庫データから欠品リスクを予測、即通知や発注処理が実現できるなど、分析プロセス全体のデジタルアシスタントとして機能します。
②統合データレイヤーとセマンティックレイヤー


出典:Tableau社『Tableau Next』
Tableau Nextでは、企業内外の様々なデータを統合するためにSalesforce Data Cloudが活用されています。
Data Cloudとの緊密な連携により、CRMやERP、データウェアハウスやクラウドストレージなど複数のデータソースにまたがる統合分析が可能です。
また、Zero Copy(ゼロコピー)と呼ばれる仕組みにより、データを必要以上に移動・重複保存せずに分析できるため、コスト効率とデータガバナンスの両立を実現しています。



SnowflakeやRedshift、BigQueryなどへのライブ接続をサポートし、Excelやcsvの直接取り込みにも対応してますよ!
さらに、「Tableau Semantics」と呼ばれるセマンティックレイヤー(=業務用語や指標の定義を一元管理するメタデータ層)が備わっており、統合データにビジネス上の意味づけを与えています。
これにより、組織全体で「どの数字を見ても定義がブレない」というデータの一貫性と信頼性を確保できるでしょう。



例えば「売上」や「顧客離脱率」といった指標の定義をTableau Semantics上で統一しておくと、部署ごとに異なる算出方法で数字が食い違うといった事態を防げますね!
③アクショナブルなワークフロー
Tableau Nextは単なる「見るだけ」の分析に留まらず、分析から得たインサイトを即座にアクションに移すことを支援する設計になっています。
これは単に「アラートを出す」レベルではなく、分析から意思決定・アクションまでの一連の流れを支援するワークフローエンジン(エンタープライズワークフローソリューション)が組み込まれているのがポイントです。


出典:Tableau社『Tableau Next』
上図は、Tableau Nextのプラットフォーム概念図です。
左側に「Data Layer(データ層)」「Semantic Layer(セマンティック層)」「Visualization(可視化層)」「Actionability(アクション実行層)」が積み上がった構成が描かれています。



これは、生データからインサイト取得、アクション実行まで一貫したフローを支えることを示しています!
中央には「Marketplace(マーケットプレイス)」という枠があり、組織内で分析資産を共有・拡張する「プライベート領域」と、ソリューションを公開・収益化できる「パブリック領域」という2つの構成です。
右側には「Agentforce」のプリビルド(あらかじめ組み込み済み)の分析スキルとして、Data Pro・Concierge・Inspectorの3つが記載されています。
従来は、分析担当者が気づきを得ても別途メールや他アプリで関係者に共有して対応を依頼するといった手間が必要でしたが、このワークフローエンジンにより「気づき」から「実行」までの距離が極めて短くなるでしょう。
例えば、在庫データを分析していたAIエージェントが品切れのリスクを検知した場合、Tableau Next上から直接発注システム(ERP)に補充リクエストを送信する、といったアクションまで可能です。



ワークフローはノーコード/ローコードで定義できるので、IT部門がいちいち開発しなくても現場レベルで自動化が進められますよ!
④オープンアーキテクチャと再利用性
Tableau Nextは「APIファースト」で設計されており、外部システムとの連携拡張やカスタマイズがしやすいプラットフォームです。
分析機能のあらゆる要素(データソース、準備フロー、セマンティックモデル、ダッシュボード、AIエージェントなど)がモジュール化されており、それらを組み合わせ(Composable)て新たな分析アプリケーションを構築できます。



自社のニーズに合わせた独自の分析エージェントやUIを開発して組み込むこともできますね!
また、Tableau Nextでは新たにMarketplaceの概念が導入されており、社内外で分析コンテンツを共有・流通させる仕組みが整っています。
Tableau Exchangeによるダッシュボードテンプレート共有がさらに発展し、社内向けにも再利用可能なコンポーネントを登録・検索できるようになるでしょう。
これにより、例えば
- ある部署が作った優れたデータモデルやKPI指標を別の部署でも流用する
- 他社が公開している分析テンプレートを取り込んで自社データに適用する
などといったことが容易になります。
さらに、API経由でこれらの分析機能を外部アプリケーションから呼び出すこともできるため、自社の製品やサービスにTableauの分析機能を埋め込むといった応用も可能です。
⑤エンタープライズ級の性能とセキュリティ
Salesforceプラットフォーム上に構築されたことで、Tableau Nextは企業向けの信頼性・拡張性が一段と強化されています。
Salesforceのクラウド基盤(Hyperforce)が提供する堅牢なインフラによってグローバル規模でのスケーラビリティや可用性が確保されており、各国・各業界のコンプライアンス要件に対応したセキュリティ認証も整っています。
また、Salesforce製品とのユーザー認証統合も図られているため、Salesforce CRMを使っている企業であればTableau Nextのユーザー管理や権限設定を一元化することが可能です。
さらに、従来Tableau Serverで課題だった大規模展開時の管理負荷(サーバーのスケール管理やバージョン更新作業など)も、Tableau Nextではクラウドネイティブサービスとして提供されることで大幅に軽減されています。
Tableau Nextの今後の展開


2025年2月末に発表されたTableau Next(旧:Tableau Einstein/The New Tableau)は、現時点で一部先行ユーザーや新エディションである「Tableau Plus(Tableau+)」で利用可能です。


今後数年かけて段階的に拡張・進化し、現行のTableau製品(ServerやCloud)との共存は当面続くものの、最終的にはクラウド中心へシフトする可能性があります。
新機能として、Data Cloud経由で主要クラウドデータベース(Snowflake、BigQuery等)との連携が順次拡充され、従来サポートしていた全データソースへの対応が広がるでしょう。
また、Marketplaceの本格稼働により、サードパーティやコミュニティによる分析アプリ・コンポーネントのエコシステムが形成されると予想されます。



Tableau Nextはこれから育つプラットフォームであり、現行製品と併用しながら徐々にTableau Nextへシフトしていく形が現実的ですね!
【まとめ】Tableau Nextは AI時代の意思決定を加速する革新的なデータ分析プラットフォーム!
Tableau Nextは、従来のTableauにAIとクラウド統合の利点を加え、データ分析のあり方を再定義しています。
人間中心のBIにAIエージェントを組み込み、信頼できるデータ基盤と統合ワークフローで、意思決定までの距離を大幅に縮めます。
従来はデータアナリスト任せだった分析が、ビジネスユーザー自らがAIのサポートでインサイトを発見し、即アクションに繋げられる時代へと変わるでしょう。
まさに、AI時代の意思決定を加速する革新的プラットフォームとして、今後もTableau Nextに注目です!
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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